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亀のといち

  • songofindia79
  • 2018年6月26日
  • 読了時間: 2分

13年近く連れ添った亀が、突然死んでしまった。

あっというまの出来事だった。

梅雨の合間の夏日。

元気にバチャバチャ暴れていて、 ああ、暑くて嬉しいねーと思ってエサをやり しばらくしたらひっくり返っていて 

 そのまま動かなくなった。

病気もせず、エサもよく食べ

特に物言わぬ生き物だったから

どこか

植物を可愛がるような感覚に似ていると思っていた。

でも違った。

トイチは植物なんかじゃない。

声を出せない身体で必死に

わたしになにか言おうとしていた。

その姿は、元気に喜んでいたんじゃなくて

苦しんでいたんだと思うと本当にいたたまれない。

亀の死因や暴れる理由を調べてみると

トイチの状況からいって

熱中症だった。

体温を変えられない亀は

気温の上がった水槽の中で

暑くて、ここから出してほしくて、

辛くて辛くて、苦しくて死んだ。

もし、自由の身だったら

自分で涼しい所へ行ったり、水に入ったりできる。

トイチは私のペットだから、自由ではない。

自由ではないが、

トイチができるだけしたいようにし、お腹がすかないようにし、居心地よい場所に置き、気持ちよく生活できるようにするのが私の役目。 

トイチの命を預かっているのは私だ。

なのに

その責任を放棄した。

声なき声をとどけようとしてくれていたのに

その姿を見ていながらも

わかってあげられなかった。

私が殺したのも同然だ。

まだまだ元気に生きられたはずだ。

東京の1人暮らしが寂しくて飼った初めての同居人。たかが亀、されど私にはたくさんトイチとの思い出がある。小さくて綺麗だったトイチ。

こうなってから

あーしてあげればよかった

こんな事するんじゃなかった

もっともっと可愛がってあげれば

こんな事にならなかった。

止まない後悔がぐるぐるぐるぐる。


 
 
 

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